真っ暗な世界で
「あ、あのっ……!俺…」


目が見えないんですけど。


そう言おうとしたのに。


「んあ?てめぇ、黙っとけ!!」


「こら!トシ!」


「近藤さんは甘いんだ!!」


土方歳三が近藤勇を諫める。


「おい!餓鬼!!」


土方歳三が私に向けて言った。


餓鬼とはさすがに失礼だと思ったが、そこにはなにも反応せず、首を傾げた。


「なんですかぁ?」


「壬生浪士組に入るか?入らねぇか、どっちか決めろ!!」


みえなくても分かるくらい威圧感丸出しの土方歳三。


そんなもの、即答に決まっている。


「…入りたいですけど…」


「そうか!そうか!!良かった!嬉しいよ!!」


近藤勇が私の両肩を掴み、前後に揺らす。


どうして、二人とも私の話を打ち切るの?趣味なの?特技なの?


とりあえず、二人を並べてぐうの音も出ないほどに看破したい。ついでに、再起不能にしたい。無謀だけど。








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