真っ暗な世界で
「それでは、さっそく春くんには仲間を紹介しなければ……」


「近藤さん、それはまだ先だ」


「と、トシ……?」


「どんなに喧嘩に強くったって、刀が使えなきゃ、いてもらう意味なんざ、ねぇんだ」


「それもそうだが……」


土方さんに正論を言われ、口ごもる近藤さん。


「春、さっきも言ったが、入隊試験をする。ついてこい」


土方さんはぶっきらぼうにそう言うと、歩き出した。


私はその足音に従い、ついていく。


「……すまないね、春くん。トシはとてもこの組を大切に思ってくれてるんだ。怖いかも知れないが、本当はとても優しいんだよ」


近藤さんが私の横につき、土方さんに聞こえないくらいの声で私には、そう言った。


本当に二人はお互いを信頼し合ってるんだな。


温かい気持ちになりながらも、土方さんがほんの少し羨ましくなった。



「おい、ついたぞ。相手をつれてくるから、上がって待っていろ。近藤さん、総司をつれてきてくれないか?」


「そ、総司か!?わ、分かった……」


近藤さんが驚きながら、慌ててそうじを呼びに言った。


そうじ…?掃除?総司?沖田総司?ま、まさか、そんな剣豪と私はやり合うの?土方さんは何を考えているの。


「……春。お前には沖田総司と勝負してもらう」


声音で、わかった。


土方さんは試してる。











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