真っ暗な世界で
「ちょっと、君。大丈夫?そんなんで僕と試合する気?」


すぐに何事も無かったかのように竹刀を拾った春くん。僕は驚いた。


え、土方さん、こんな鈍臭い子と試合させる気?


「すみません。少しうっかりしていました」


見下したように笑っても、顔色一つ変えずに始める位置へ移動する春くん。


なんだか、気に入らないなぁ。


シィンと静まり返った道場で、両者、位置についた。

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