真っ暗な世界で
第3章
新たな不審者
入隊して、半年が経った。
夏が過ぎ、秋が去り、今はもう、一面が銀世界の冬だ。そう、風が季節の変わり目を教えてくれる。
ツンとした、鋭い冷たさと同時に雪の香りがする。
入隊して2週間はずっと、観察方の人に見張られていた。
………お風呂の時と厠以外。
3週間目からは監視が外れ、本当の意味での隊士としての生活を始めた。
やはり、目が見えないと不便なことばかりで。
それを平隊士に悟られないようにするので毎日毎日精一杯だった。
そして、私は晴れて観察方に入ることになった。
その切っ掛けは、皮肉にも芹沢鴨の暗殺だった。
土方さんの配慮なのか、それとも観察方に入ったからなのか、私は平隊士とは違い、部屋を与えてもらった。
平隊士の時は大部屋で10人程度で雑魚寝をしていたので、夏の夜は言うまでもなく、地獄だ。
あの頃がもう、遠い昔のことのように思えて仕方がない。
夏が過ぎ、秋が去り、今はもう、一面が銀世界の冬だ。そう、風が季節の変わり目を教えてくれる。
ツンとした、鋭い冷たさと同時に雪の香りがする。
入隊して2週間はずっと、観察方の人に見張られていた。
………お風呂の時と厠以外。
3週間目からは監視が外れ、本当の意味での隊士としての生活を始めた。
やはり、目が見えないと不便なことばかりで。
それを平隊士に悟られないようにするので毎日毎日精一杯だった。
そして、私は晴れて観察方に入ることになった。
その切っ掛けは、皮肉にも芹沢鴨の暗殺だった。
土方さんの配慮なのか、それとも観察方に入ったからなのか、私は平隊士とは違い、部屋を与えてもらった。
平隊士の時は大部屋で10人程度で雑魚寝をしていたので、夏の夜は言うまでもなく、地獄だ。
あの頃がもう、遠い昔のことのように思えて仕方がない。