真っ暗な世界で

「ひーじかーたさぁぁぁあん！！」


門のほうから巡察帰りであろう沖田さんの声がはっきりと聞こえた。


因みに、参考までにいっておくけれど、土方さんの部屋から入り口の門までは350ｍほどの距離がある。


つまり、沖田さんはめちゃくちゃ大声を出したのだ。


それに土方さんがブチギレするのは、お決まりで…。今も、例外ではない。


「…………そぉじぃぃぃぃい！大声出すなって何度言えば分かりやがんだぁぁァあ！」


…………ほら。


スパァァン！！と襖をダイナミックに開け放ち、沖田さんの声のする方へ走っていく土方さん。


私は、はぁ……とため息を一つついて、襖をきちんと閉め、土方さんを追った。


あなたら、いくつですか…………。


内心、毒付きながら。