真っ暗な世界で
「春、あの女は」
「まだ、静かに眠っているようでした」
土方さんの後ろの壁側に座り、土方さんの問に答えた。
「ふぅむ……。女子なのだろう?手荒く扱いたくはないな」
「でもさ、あんな子みたことないよ?髪の毛が金色の日本人なんて。しかも、言葉遣いも汚いし」
「外人じゃねぇの?」
「えー…。日本語ペッラペラだったよ。あれは日本人だね」
「おい、総司。どっちだ、お前」
藤堂さんの質問に日本人じゃないと言ってみたり、日本人だと言ってみたりする沖田さんに土方さんが呆れながら突っ込む。
その時、広間の外から何かが動く気配がした。そして、あの、甘い香りがした。
……………起きた、ね。
きっと、目を覚ました後、この状況を把握するためにバレないように歩き回って来たんだろう。偶然、土方さんたちの声が聞こえてきて、こっちに来たって所かな。
でも、どんなに鈍い子かは分からないけど、きっともう、何処かで勘づいてるはずだ。
ここは、自分達が住んでいた世界じゃないことくらい。
私は気配を無くして立ち上がり、少女から反対側の襖から出た。
そして、少女が気が付かないように背後に回り込んだ。
「………ねぇ、何してるの??」
「うわっ………!!!」
予想どうりの反応をしてくれる少女。
驚いた拍子にガタガタッと大きな音を立てる。
広間にいた、土方さん達も気付いたらしい。
襖を開け、こっちに来た。
「……やっべっ!」
「やっべ?」
慌てて逃げようとする少女をさり気なく捕まえた。
「どうしたの?あっ!大丈夫ですよ、ここの人達は優しい方ばっかりです!」
「え?はぁ?何? 」
「春っ!!」
土方さんが私の名を呼ぶ。
私はニッコリ微笑んで振り返った。
「あ!土方さーん。起きたようですよ!」
「………みたいだな」
土方さんは一瞬、状況が飲み込めなかったみたいだけど、すぐにそれなりの返事をしてくれた。
…………私、こんなキャラじゃないものね。
もれなく、少女は広間に連行された。
「まだ、静かに眠っているようでした」
土方さんの後ろの壁側に座り、土方さんの問に答えた。
「ふぅむ……。女子なのだろう?手荒く扱いたくはないな」
「でもさ、あんな子みたことないよ?髪の毛が金色の日本人なんて。しかも、言葉遣いも汚いし」
「外人じゃねぇの?」
「えー…。日本語ペッラペラだったよ。あれは日本人だね」
「おい、総司。どっちだ、お前」
藤堂さんの質問に日本人じゃないと言ってみたり、日本人だと言ってみたりする沖田さんに土方さんが呆れながら突っ込む。
その時、広間の外から何かが動く気配がした。そして、あの、甘い香りがした。
……………起きた、ね。
きっと、目を覚ました後、この状況を把握するためにバレないように歩き回って来たんだろう。偶然、土方さんたちの声が聞こえてきて、こっちに来たって所かな。
でも、どんなに鈍い子かは分からないけど、きっともう、何処かで勘づいてるはずだ。
ここは、自分達が住んでいた世界じゃないことくらい。
私は気配を無くして立ち上がり、少女から反対側の襖から出た。
そして、少女が気が付かないように背後に回り込んだ。
「………ねぇ、何してるの??」
「うわっ………!!!」
予想どうりの反応をしてくれる少女。
驚いた拍子にガタガタッと大きな音を立てる。
広間にいた、土方さん達も気付いたらしい。
襖を開け、こっちに来た。
「……やっべっ!」
「やっべ?」
慌てて逃げようとする少女をさり気なく捕まえた。
「どうしたの?あっ!大丈夫ですよ、ここの人達は優しい方ばっかりです!」
「え?はぁ?何? 」
「春っ!!」
土方さんが私の名を呼ぶ。
私はニッコリ微笑んで振り返った。
「あ!土方さーん。起きたようですよ!」
「………みたいだな」
土方さんは一瞬、状況が飲み込めなかったみたいだけど、すぐにそれなりの返事をしてくれた。
…………私、こんなキャラじゃないものね。
もれなく、少女は広間に連行された。