真っ暗な世界で
潜入捜査 2日目
「………おい、起きろ」
「おはようございます」
「おはよう。っても、昼だけどな」
正確にはこんにちわだな。と笑う菊田さん。
菊田さんが、昨日よりもよく笑うようになった気がするのは気のせいではないと思う。
「……」
「なんであんたまで笑うんだよ?」
「……え?」
不機嫌そうに菊田さんに言われて、初めて気が付いた。
私の口角が上がっていた。
「……そうですね」
「ほんと、お前女だな。今までどうやって男に化けてたんだ?」
菊田さんが感心したように私に尋ねる。
「俺は男です」
「ちげーだろ?」
「………?」
「この遊郭にいる間はあんたは女だろ」
「まぁ……それもそうですね」
菊田さんの幼稚園児が出すようなひっかけに引っかかってしまった。少し悔しい。
「んじゃ、今、飯持って来るから待ってろ」
「……………」
昨夜の悪夢を思い出し、なんだかテンションがだだ下がりする。
「心配すんな。また俺が食べさせてやるから」
菊田さんは何を勘違いしたのか、または知っていてあえて無視したのか、分からないが、愉快そうに私の頭をくしゃくしゃに撫でる。
多分、菊田さんのことだから後者だろう。
そうと知っていても突っ込まざるを得ない。
……それが私の心配要因なんです。
「おはようございます」
「おはよう。っても、昼だけどな」
正確にはこんにちわだな。と笑う菊田さん。
菊田さんが、昨日よりもよく笑うようになった気がするのは気のせいではないと思う。
「……」
「なんであんたまで笑うんだよ?」
「……え?」
不機嫌そうに菊田さんに言われて、初めて気が付いた。
私の口角が上がっていた。
「……そうですね」
「ほんと、お前女だな。今までどうやって男に化けてたんだ?」
菊田さんが感心したように私に尋ねる。
「俺は男です」
「ちげーだろ?」
「………?」
「この遊郭にいる間はあんたは女だろ」
「まぁ……それもそうですね」
菊田さんの幼稚園児が出すようなひっかけに引っかかってしまった。少し悔しい。
「んじゃ、今、飯持って来るから待ってろ」
「……………」
昨夜の悪夢を思い出し、なんだかテンションがだだ下がりする。
「心配すんな。また俺が食べさせてやるから」
菊田さんは何を勘違いしたのか、または知っていてあえて無視したのか、分からないが、愉快そうに私の頭をくしゃくしゃに撫でる。
多分、菊田さんのことだから後者だろう。
そうと知っていても突っ込まざるを得ない。
……それが私の心配要因なんです。