真っ暗な世界で
怒りの出撃命令が出されたので、取り敢えず箸をおく。
そして
「いってぇ!!」
「いだっ!」
「いって!」
光の速さで3人の脳天に鉄槌を下す。
私の拳は赤くなり、シュ~と煙をあげている。この3人にはこれぐらいの強さじゃないと効果を成さない。
「春、何すんだよぉー……ヒィッ!?」
「うわぁぁあ!」
「うおっ!」
あとは戦慄する程の殺気とこの世のものとは思えないほどの無表情で仕上げを。
そして、殺気をしまって無言で戻る。
すると、どうだろう。
「………………返す」
「……おう、ありがとよ」
「……………俺も」
しばらくこれは使えそうだ。
朝食が終われば、私は使った全ての食器の片付けをしなければならない。
慣れたもので、今では30分で出来る。
でも、今は冬。凍えるように冷たい水で手がかじかむ。手に息を吹きかけて、気持ちだけ温めた。
それが終われば、土方さんにお茶を入れて持っていく。
「土方さん。榛です。お茶を持ってきました」
「おう、入れ」
土方さんにお茶を届けたら、次は洗濯を………と思って土方さんの部屋を出ようとしたら、土方さんに呼び止められた。
「春」
「はい」
「お前にはまだ言っていなかったな。咲洲だが、女中としてここに置くことになった。だから、洗濯は咲洲に任せていい」
「分かりました」
そう言えば、知らなかった。咲洲の役割。
女中がいれば、幾分私の負担が減るから、凄くありがたいこと………なんだけど。
彼女はそれだけで満足したのだろうか?
彼女の性格からすれば隊士にしろとか言いそうなんだけどな。
「……………まぁ、その、なんだ。女中兼隊士だ」
気まずそうに言った土方さん。
………………やっぱり。
私は一礼して、部屋を出て、いつも洗濯していた所へと向かった。
「くわぁ~!!つめたぁー!!…………これ、全部あのゲス方のせいだ」
案の定、土方さんのことをボロクソに言っていた。
「ゲス方………とは誰ですか?」
「は、ハルくん!?」
咲洲は驚いたように叫ぶ。………なんで叫ぶの。
「やり方、分かりますか」
「え?うーん……まだ、ちょっと」
「貸してください」
私は咲洲の手から洗濯物を奪い取り、見本を見せた。
「こうすれば、あまり力はいりません」
「へぇー!ありがとね」
「いえ。では、失礼します」
「えっ!?」
私は一枚だけやって、彼女に背を向けた。それの反応は彼女にとって意外だったらしく、『手伝ってくれないの!?』と言うように戸惑っていた。
私もそこまでお人好しじゃない。
「俺、まだまだやることがあるので」
そう言って一礼して、今度こそ背を向けて歩き出すと、咲洲が私に質問をした。
「ねぇ!なんで土方の小姓なんかやってんの?」
愚問だった。
「それが俺に与えられた仕事だからですよ」
振り向かずそれだけ言うと、私はその場から去った。
そして
「いってぇ!!」
「いだっ!」
「いって!」
光の速さで3人の脳天に鉄槌を下す。
私の拳は赤くなり、シュ~と煙をあげている。この3人にはこれぐらいの強さじゃないと効果を成さない。
「春、何すんだよぉー……ヒィッ!?」
「うわぁぁあ!」
「うおっ!」
あとは戦慄する程の殺気とこの世のものとは思えないほどの無表情で仕上げを。
そして、殺気をしまって無言で戻る。
すると、どうだろう。
「………………返す」
「……おう、ありがとよ」
「……………俺も」
しばらくこれは使えそうだ。
朝食が終われば、私は使った全ての食器の片付けをしなければならない。
慣れたもので、今では30分で出来る。
でも、今は冬。凍えるように冷たい水で手がかじかむ。手に息を吹きかけて、気持ちだけ温めた。
それが終われば、土方さんにお茶を入れて持っていく。
「土方さん。榛です。お茶を持ってきました」
「おう、入れ」
土方さんにお茶を届けたら、次は洗濯を………と思って土方さんの部屋を出ようとしたら、土方さんに呼び止められた。
「春」
「はい」
「お前にはまだ言っていなかったな。咲洲だが、女中としてここに置くことになった。だから、洗濯は咲洲に任せていい」
「分かりました」
そう言えば、知らなかった。咲洲の役割。
女中がいれば、幾分私の負担が減るから、凄くありがたいこと………なんだけど。
彼女はそれだけで満足したのだろうか?
彼女の性格からすれば隊士にしろとか言いそうなんだけどな。
「……………まぁ、その、なんだ。女中兼隊士だ」
気まずそうに言った土方さん。
………………やっぱり。
私は一礼して、部屋を出て、いつも洗濯していた所へと向かった。
「くわぁ~!!つめたぁー!!…………これ、全部あのゲス方のせいだ」
案の定、土方さんのことをボロクソに言っていた。
「ゲス方………とは誰ですか?」
「は、ハルくん!?」
咲洲は驚いたように叫ぶ。………なんで叫ぶの。
「やり方、分かりますか」
「え?うーん……まだ、ちょっと」
「貸してください」
私は咲洲の手から洗濯物を奪い取り、見本を見せた。
「こうすれば、あまり力はいりません」
「へぇー!ありがとね」
「いえ。では、失礼します」
「えっ!?」
私は一枚だけやって、彼女に背を向けた。それの反応は彼女にとって意外だったらしく、『手伝ってくれないの!?』と言うように戸惑っていた。
私もそこまでお人好しじゃない。
「俺、まだまだやることがあるので」
そう言って一礼して、今度こそ背を向けて歩き出すと、咲洲が私に質問をした。
「ねぇ!なんで土方の小姓なんかやってんの?」
愚問だった。
「それが俺に与えられた仕事だからですよ」
振り向かずそれだけ言うと、私はその場から去った。