真っ暗な世界で
諦めないと言ってみたはいいものの、何をすればいいのか分からない。ってことでまずはゲス方になぜダメなのか、理由を聞いてみる。


「なんで、ダメなんだ?」


「そりゃ、決まってんだろ。危険だし 、人の命を奪うなんて相当な強い心がなければあっというまに壊れちまう。ここにいる奴でも、狂うんだ。それに、女は男に守られてりゃいいんだ。女が刀なんて持つもんじゃねぇよ」


土方の答えに私は疑問を持った。


なんで、刀は女が持つものじゃないんだ?そんなこと誰も決めていないのに。


女は男に守られておけばいい。こんなの古すぎる。


土方の説明に、私は全く納得することが出来なかった。


いや、土方が悪いわけじゃない。


それが、世の中の考えなんだ。


土方はそれを言っているに過ぎない。


土方が言ってることはこの時代の正論なんだ・け・ど!未来人の私には到底理解出来ない訳で。


「きゃぁーっか!!」


「はぁ!?」


土方がまだ諦めねぇのかよって顔でこちらを見てくる。


そんなの知らねぇ。


「私はそんな理由じゃ納得できない!つまり、諦めない!」


「話が一方的すぎるだろ!?」


「んじゃ、納得出来る理由を言ってみろよ」


「はぁ…。んじゃ、てめぇには自分を守れるだけの腕があんのか?」


土方は墓穴を掘ったことを知らない。


私は自分の思い通りに事が進んだので、口角が上がるのを隠せない。


それに気付いたらしい土方がげっ!って顔をした。


もう、取り消しなんて言わせない。


「ふふふふ………あははは………」


「咲洲、お前、今自分がどんな顔してるか分かるか?」


「知らねぇよ」


「この世のものとは思えないほど心底気色悪いぞ」


コイツ、レディに対して、禁句言いやがった!!気色悪いって!気色悪いってなんだよ!!


「ゲス方……今は見逃してやる。腕があるかどうかは調べてみればいいだろ!!」


どうだっ!と立ち上がり、顔も思い切りドヤ顔して、ビシッ!と土方を指差した。


土方は、話題を変えることに失敗し、はぁ…と重苦しいため息をつき、文字通り頭を抱えた。
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