真っ暗な世界で
「梅の花〜一輪咲いても梅は梅〜」
──バンッ
言い終わるか終わらないかくらいのタイミングで土方の部屋の襖が勢い良く開く。
部屋から出てきたのは何やらどす黒いものを纏った長身の黒髪ポニーテールの男。皆様、お待ちかね土方だ。
土方はゆっくりと部屋を出て、私を確認するや否や刀を鞘からスッ……とだした。
そして、鞘を部屋に投げ込むと刀を握り締めた。
「さーきーしーまァァァ!待てゴルァァァア!!」
その怒号とともに土方の体は私めがけて走り出した。意外なことにめちゃくちゃ速い。
やべぇ……意外に怖ぇ!!けど、めちゃくちゃ面白い!!
私も捕まるまいと走り出す。もちろん、その間の挑発も忘れない。
「アハハハハッ!知れば迷い、知らねば迷わぬ恋の道ぃ~!!」
「ぶっっっ殺す!!!!」
土方のスピードが更に上がる。私のスピードもその分上がる。
「待てゴラァァア!叩き斬ってやる!!
」
「アハハッ、待てって言われて待つ奴が何処にいんだよー??」
角を曲がり、このまま行くと、台所を通るなぁと思った時だった。
ブォンッと風を切る音が聞こえた瞬間、目の前の柱に包丁が突き刺さっていた。
「うわぁぁあ!?ほ、ほうちょぉぉぉ!?」
私は、ギリギリ避けられたものの、体制を崩して床に尻餅をついてしまう。
「いてて……どこから包丁が…??」
ケツをさすりながら包丁が飛んできた出処を探す。
考えられるのは、あそこだけ。
台所は、縁側から少し出っ張った小屋の中にある。小屋には左右対称に引き戸がある。そして、私達がいるほうの引き戸が開いていた。
ほかにあるのは雑風景な庭だけだ。
──バンッ
言い終わるか終わらないかくらいのタイミングで土方の部屋の襖が勢い良く開く。
部屋から出てきたのは何やらどす黒いものを纏った長身の黒髪ポニーテールの男。皆様、お待ちかね土方だ。
土方はゆっくりと部屋を出て、私を確認するや否や刀を鞘からスッ……とだした。
そして、鞘を部屋に投げ込むと刀を握り締めた。
「さーきーしーまァァァ!待てゴルァァァア!!」
その怒号とともに土方の体は私めがけて走り出した。意外なことにめちゃくちゃ速い。
やべぇ……意外に怖ぇ!!けど、めちゃくちゃ面白い!!
私も捕まるまいと走り出す。もちろん、その間の挑発も忘れない。
「アハハハハッ!知れば迷い、知らねば迷わぬ恋の道ぃ~!!」
「ぶっっっ殺す!!!!」
土方のスピードが更に上がる。私のスピードもその分上がる。
「待てゴラァァア!叩き斬ってやる!!
」
「アハハッ、待てって言われて待つ奴が何処にいんだよー??」
角を曲がり、このまま行くと、台所を通るなぁと思った時だった。
ブォンッと風を切る音が聞こえた瞬間、目の前の柱に包丁が突き刺さっていた。
「うわぁぁあ!?ほ、ほうちょぉぉぉ!?」
私は、ギリギリ避けられたものの、体制を崩して床に尻餅をついてしまう。
「いてて……どこから包丁が…??」
ケツをさすりながら包丁が飛んできた出処を探す。
考えられるのは、あそこだけ。
台所は、縁側から少し出っ張った小屋の中にある。小屋には左右対称に引き戸がある。そして、私達がいるほうの引き戸が開いていた。
ほかにあるのは雑風景な庭だけだ。