真っ暗な世界で
謎ばかりのハル君。


ただ一人で悶々と考えていても埒があかない。


ってことで、私よりもなが〜くハル君と過ごしてきた新選組幹部に突撃インタビューをしてみよぉーう!!


……なんて意気込んでその辺を散策していると、ちょうどいいところに、原田がいた。


「はぁーらだっ!」


「おっ、どうした?玲那」


「聞きたいことがあんだけど」


「お〜。なんでも教えてやるよ」


妖しく私の耳元で囁く原田。


そんな原田に一発鳩尾にお見舞いする。


「グォッフォ!!」


その場にうずくまる原田。


現役総長なめんなよ!?


「ハル君のことだよ。さっさと教えろ」


「ゲホッ………春のことかよ…。別にいいけど、態度でかくねぇか?」


さすがはマッチョ。立ち直りが速い。だが、今はそんなこと、どうでもいい。


「いいから」


そうして、第一の証言を手に入れたのであった。


一人目、新選組十番隊組長 原田佐之助


「あー……春はな、元々平隊士だったんだよ。それがいきなり観察方になって、土方さんの小姓になってさ。噂じゃ、入るときに約束してたらしんだとよ」


「性格?んー……見て通りだよ。無愛想で、笑顔なんて見たことねぇ……ん?見たことあるって?あー…あれはな、春のクセなんだ。そう、クセ。あいつ、警戒心が強くて、信用していない人間には人懐っこくなるんだよ。人間、普通逆だよなー」


「そうそう、性格の話だよな。さっきも言った通り、無愛想で、なにごとにも無関心。……なぜか土方さんには春なりに懐いてる…?んだよな」






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