真っ暗な世界で
第6章
屯所襲撃
あれから5日が経った。長州浪士たちがいうことが本物ならば、今日、男たちは屯所を襲撃するために集まる。
殺られる前に殺る。
ってことで、今夜、奇襲をかける。
集まるところはすでに目星がついてある。
壬生村にあって、100人もの人が泊まれる廃屋はあそこしかない。
昨日、すでに下見は済んである。いつもよりもずっと念入りだ。
私が、斬る浪士のノルマは約50人程度。殺さないまでも、危害を加えればいい。
浪士たちは、激励のために春風が来ると思っている。
文を出しておいたのだ。
『激励したいので、お伺いします』
大体そんな内容のものを。勿論、私が書いたものではない。土方さんが書いたものだ。沖田さんと近藤さん曰く、土方さんは女性的な繊細な字を書くそうだ。
私にわかるはずもないことだが。
とりあえず、浪士たちに言いたいことがある。
あなた方は馬鹿なのか。100人もの人が動けばどんなに鈍感な奴も気付く。そんなことにも気付けないのか。
「ハールー!」
「…………」
今夜の準備をしていると、甲高い女性の声が聞こえてきた。
咲洲だ。
ここ何日間で、何故かよく私と関わろうとしてくるようになった。
「何してんの?」
「………貴女に関係ありますか」
「あるある!」
「…………」
どんなに冷たくしても、突き放しても、彼女は全くめげない。
寧ろ、嬉々として私に向かってくる。
なんなのか。彼女は実はドMだったりするのだろうか?
なんにせよ、人と絡むことが好きではない私にとって、いい迷惑だということは確実に言える。
殺られる前に殺る。
ってことで、今夜、奇襲をかける。
集まるところはすでに目星がついてある。
壬生村にあって、100人もの人が泊まれる廃屋はあそこしかない。
昨日、すでに下見は済んである。いつもよりもずっと念入りだ。
私が、斬る浪士のノルマは約50人程度。殺さないまでも、危害を加えればいい。
浪士たちは、激励のために春風が来ると思っている。
文を出しておいたのだ。
『激励したいので、お伺いします』
大体そんな内容のものを。勿論、私が書いたものではない。土方さんが書いたものだ。沖田さんと近藤さん曰く、土方さんは女性的な繊細な字を書くそうだ。
私にわかるはずもないことだが。
とりあえず、浪士たちに言いたいことがある。
あなた方は馬鹿なのか。100人もの人が動けばどんなに鈍感な奴も気付く。そんなことにも気付けないのか。
「ハールー!」
「…………」
今夜の準備をしていると、甲高い女性の声が聞こえてきた。
咲洲だ。
ここ何日間で、何故かよく私と関わろうとしてくるようになった。
「何してんの?」
「………貴女に関係ありますか」
「あるある!」
「…………」
どんなに冷たくしても、突き放しても、彼女は全くめげない。
寧ろ、嬉々として私に向かってくる。
なんなのか。彼女は実はドMだったりするのだろうか?
なんにせよ、人と絡むことが好きではない私にとって、いい迷惑だということは確実に言える。