声の届く距離にいてください。
「ぷっ…」
「な、何がおかしいんですか?!」
「ああ…いや。無礼を侘びよう 大小を差しているからと皆がみな偉いわけではないのだ」
「そうなんですか?」
小夜はそれは知らなかったと、口を結んだ
にしても、無礼を詫びてくれたけど…笑うことはなかった気がする
「なんで今笑ったんですか?」
「ああ、何もお前が無能だからおかしくて笑ったわけではない。この俺が偉く見えたということに少し優越感を抱いてしまってな」
「優越感?」
「俺は、俺たちは今まで周りから散々なことを言われてきたからな。やれ人殺しだの武士のまがい物だの…まあ見ず知らずの奴に愚痴をこぼすようなことでもないが」
「はぁ…」
この人の言っていることはあまり分からなかったが、随分と苦悩してきたんだということは彼女の無能な頭でもわかった
あ、そういやさっき”無能”って…
結局馬鹿にしてはいるんだ…