放課後の横顔
メガネ野郎
最悪な始まり
やばい、急がなきゃ…
「あ、ユキホ~、一緒に帰ろー!」
『ご、ごめん!あたし先生に呼ばれてるの…』
「そうなの?」
「そうだよ、アズサ。ユキホはね~田島ちゃんと職員室で待ち合わせだから止めちゃだめよ♪」
「あらら~?そうなの?ユキホちゃん♪ファイト♪」
『ちょっと!やめてよ!ナツ!んも~、他人事なんだから…』
「てか、ユキホ急いでたんじゃないの?」
あああっ、そうだったっ…
悪戯に笑う二人に手を振り、走ってはいけない廊下をバタバタと走る。私の足音が響く。
終礼と共に生徒は皆帰っていく。
どこか行こう!カラオケ行く?なんて会話をしてる生徒を横目に私は目的地である2階の職員室を目指す。
あれ?田島先生何で呼び出したんだろ…私悪いことしたっけ?
私、村本ユキホ。高校二年生。二年生になって はや一ヶ月。
今世紀最速ってくらいのダッシュ
ていうか、何で生徒会担当の先生が私を呼び出したんd((
ドンッ
『キャアッ』
何かにぶつかってしまった。
「ってて…」
『…っあ、すいません… ごめんなさいっ。私……っあ、お怪我は…?』
「ん。大丈夫。」
あ…れ…
「君は?怪我してない?」
この人って…
「大丈夫?」
白渕…メガネ…
『藤沢… ヤマト…』
「…はい?」
C組の藤沢ヤマトくん… 毎回学年トップの…
『………』
「………」
「なに?」
『……』
「もしもーし」
『えっ?なに?』
「何って…そんな穴が空くほど見ないでよ、俺の顔になんかついてる?」
『え?…えええっ、あ、ごめんなさい…ついてないです、はい…』
「そ?じゃ」
『え、あ、はい…』
あ、そうだ、田島先生…急がなきゃ…
「あ。そうだ。お団子頭の君」
『…?』
私?
(本日お団子ヘアー)
「これから飽きるほど俺のこと見れるから喜べ。そしてこき使ってやるから」
『…は……?』
「んじゃ」
喜べ?…何を?
こき使う?…何を??
私…を???
『…』
はぁああ?!!!!
これが、極悪冷淡メガネ野郎との出合いだった