放課後の横顔
零れるモノ
「んじゃあ、気を取り直してカラオケに行きましょうかっ」
「だね、今日は歌いまくるべ」
『だべ~』
鞄を手に取り、私たちしかいない教室を出る。
こんなにも見る風景が変わるなんて思っていなかった。何でもない毎日、いつも見ている景色なんだけど、何か変わって見えた。それをアズサに言ったら「それだけすっきりしたってことだよ」って言ったから、きっとそうなんだと思う
終わっちゃったけど、スタートでもある。私にとってもアツシくんにとっても…きっと。
「…ユキホ?どうしたー?」
『んーん、なんでもないよ』
本当二人には感謝しきれないや。
「あ」
「藤沢くんだ」
『え?』
「ほら、あそこ」
藤沢くん…!
『ちょっと、私行って来るっ』
「えっ、ちょ、ユキホ?!」
『ごめん、先に行ってて、すぐ追いかけるから!』
「ユ、ユキホ!」
分かんないけど、
今すごく、
藤沢くんと話したいっ