放課後の横顔
…え?
「俺さ、全部アツシから聞いてた。事実も知ってた。ハルナからも聞いてた。あいつの家俺の家と近いからさ、話はよく聞いてた」
ポツリポツリと話す藤沢くんの声だけが響く
「浮気してるとか、そういう言い方してごめん。本当は全部知ってたのに煽るようなことして」
『全部知ってて…あんなこと言ったの…?』
何も言わずにただ頷いた藤沢くんは真剣な顔を…
あの時と…、私を抱きしめてきた時と同じ顔をしていた
『じゃあ、何で言ってくれなかったの?』
『アツシくんが海外行くことも知ってたんでしょ…?』
「…うん」
『じゃあっ何で「俺が言ったらっ」
「ユキホのためにも…アツシのためにもならないじゃん」
『でもっ「見てて嫌なんだ」
「見てて嫌なんだよ… アツシもユキホもさ、二人とも何も話さなくてさ、二人とも自分が傷付きたくないから、自分に閉じこもって前に進めてねーじゃんかよ」
「…きっと、あそこまで言わないとユキホは動かなかったと思う」
「どうにかしてやりたいって思う俺と…」
「二人がきっちり別れるように望んでいたっていう卑怯な俺がいて…」
小さい声で、静かに話す藤沢くんの手は
「本当ごめん……っ…」
微かに震えていた