君と指切り〜10年の軌跡
その日の放課後
サナの付き合いでバスケの練習試合を見ることになっていた。
体育館に向かう途中の渡り廊下で
あの雅の姿が目に入った。
関わりあいたくなくて俯いてしまう。
私は何も悪くない…けど…
「二ノ宮さん!?」
「何?」
「ちょっと話したいことがあるの」
そう言ってチラッとサナの方へ視線を向けた。
「何よ!!邪魔だって言うの?」
「まぁ、いいや」
と言うと私の方へ向き直り
「私、サッカー部のマネージャーやってるんだけどね
アナタの“友達"の周平と付き合っているの」
「…」
“友達"の…?
周平!!私ね貴方の友達だって…
雅がそう言っているの、
何を?誰を信じたらいいのか解らなくなっちゃったよ。
サナが私の腕を支え
雅に立ち向かう。
「はぁ!?アンタ何言ってんの?
周平君は奈都芽の彼氏だよ!!」
2人は色んなやり取りをしていたけど
私の耳にはもう何も聞こえなかった。