君と指切り〜10年の軌跡

駅までの道をサナと一緒に歩く。


「サナ、あのね私、気づいていたんだ…
私、見たの周平と雅がデートしているところ」

「奈都芽……そっか」

「私、周平を失いたくなくて、ずっと知らないふりをして現実から逃げてた」

「辛かったよね、気がつかなくてごめんね」

「ううん、私はサナにたくさん元気貰っているから
頑張れる」

「頑張る必要なんてないよ
何かあったら言ってほしい
私達、友達でしょ?」


「そうだよね、サナありがとう
いつまでも友達でいてね?」

「当たり前じゃん」


そう言うサナの顔が少し照れてるようにも見えた。



私が初めて失恋した日は


私に初めて親友が出来た日だった。


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