君と指切り〜10年の軌跡
「二ノ宮さん!!ここで何してんの?
私、周平と付き合ってるって言ったじゃない」
「私は何も…」
「周平!!私達付き合っているんだよね」
雅が周平の腕に絡み付き
顔を見上げて微笑む
「…雅」
「周平は私のこと好きって言ってくれたの
これ以上邪魔しないでよ!!」
「私、邪魔したこと
一度もないよね」
私は低い声で答えた。
「…あっ!!そうだ
周平にはっきり決めてもらわない?」
何だか馬鹿馬鹿しくなって
返事をしなかった。
「雅!!もう止めてくれ…行くぞ」
そう言って雅の腕を掴んで
屋上から姿を消した。
“今のが周平の答えなんだよね"
周平にとって
今日までの私の存在って何だった?
私にとって今日までの周平は、何だった?
雅がいるのを知りながら
一人になりたくなくて
寂しさを紛らすための存在
だとしたら
やっぱり私が、いけないの?