君と指切り〜10年の軌跡
第三章
再会
昼休み坂上君に会いに
C組の前まで来たけど
教室内を見渡しても見つけられず
近くにいた男の子にサナがたずねた
「坂上君、何処かな?」
「トモキなら屋上かな」
“トモキ"
懐かしいその名前を聞いて心臓がドキドキして
少し頭がフワッとした。
トモとは苗字か違うし別人なのは、わかっているのに…
私の中で何とも言えない
胸騒ぎがした。
「奈都芽?」
「あ…うん、坂上君いないんだ」
「顔色悪いよ、少し休む!?」
気がつくとサナが私の顔を覗きこんでいた。
「ううん屋上行こっ!」
“トモキ"なんて何万人も、いるだろう名前。
だけど私は確かめたかった。
違うなら…それで良いと思った。