君と指切り〜10年の軌跡

屋上へ登る階段、一段一段踏みしめて前へと進んだ。
いつもの階段なのに
遠く感じた。

昼休みとゆうこともあって10人ほど生徒たちがいたけど
サナは直ぐに坂上君を見つけて指差した。

「あっ!!いた、あの寝てる子だよー」


ベンチに寝てる男の子は恐らく朝、出会った男の子。
あのまま、ずっと此処にいたのかな!?
顔の上にマンガ本が開いた状態で掛かっていて
寝ているのか起きているのか表情を見ることが出来なかった。

サナと恐る恐る近づいて
ベンチの前まで来た。


「坂上君?」

サナが私の方を見て


「寝てるみたい、どうする?」

「じゃ後でいいかな」

少しホッとしている自分もいたりして

「そうだね、まぁだいたいこんな感じ」

「うん……?」

「背が高くて髪の毛は耳の上辺りこう刈り上げていて
顔はカッコイイけど
怒ると眉がここまで吊り上がって
ハンパなく怖い」

身ぶり手振りで説明されても、想像がつかなかった。
ハンパなく怖いの印象が強すぎる…


「そりゃ怒ると怖いよね」

「アハハ、そうだねー
私さ放課後バスケ観に行くからC組に付き合えないけど」

「だいたいわかったし、いいよ、ありがとうサナ」


そうは言っても行けるかどうか…




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