君と指切り〜10年の軌跡
そのまま教室には行きたくなくて
今では使われてない
旧校舎をふらふら歩き続けた。
気がつくと一番奥の
第3音楽室の前まで来ていた。
誰も居ないはずの教室。
中からピアノの音が流れていた。
私は後ろのドアを静かに開けて覗いてみた。
ひとりの男子生徒がピアノを弾いてる姿が見えた。
同じ学生なのに少し大人っぽく見える男の子。
きっと2年か3年なんだろうな。
私の気配を感じたのだろうか突然、演奏を止めた。