君と指切り〜10年の軌跡

クリスマスの朝
窓の外を見ると雪がチラホラ舞っていた。
パパは既に会社に出掛け
ママは私達の朝食をテーブルに並べていた。


「トモ君眠れたかな?」

「はい」

「そう良かった
夕方にパパとママがいらっしゃるわ、パーティ楽しみね」


そう言うと

「奈都芽おいで」

私を手招きしリビングに用意してあった鏡の前で
髪をとかし結わいてくれた。

「ママ、今日は赤いリボンがいい」

「うん!!わかってる」


私にとって特別な日は
いつも付けてるシュシュではなく
赤いリボンを結んでもらっていた。

その様子を見ていたトモは
目を細め柔らかく笑っていた。


< 4 / 97 >

この作品をシェア

pagetop