君と指切り〜10年の軌跡
クリスマスの朝
窓の外を見ると雪がチラホラ舞っていた。
パパは既に会社に出掛け
ママは私達の朝食をテーブルに並べていた。
「トモ君眠れたかな?」
「はい」
「そう良かった
夕方にパパとママがいらっしゃるわ、パーティ楽しみね」
そう言うと
「奈都芽おいで」
私を手招きしリビングに用意してあった鏡の前で
髪をとかし結わいてくれた。
「ママ、今日は赤いリボンがいい」
「うん!!わかってる」
私にとって特別な日は
いつも付けてるシュシュではなく
赤いリボンを結んでもらっていた。
その様子を見ていたトモは
目を細め柔らかく笑っていた。