君と指切り〜10年の軌跡
第四章
体育祭
5月最後の土曜日
体育祭が行われた。
私が出る競技は大玉転がしだけ。
私は朝から体調がすぐれず
午後になってから救護テントの下にいた。
“来なければよかったなー"
ブルーシートの上で膝を抱え、競技を眺める。
サナが心配して何回か来てくれた。
救護テントの中には
保健の先生と各学年からひとりずつ、お手伝いの生徒が待機していた。
「大丈夫?」
私に声を掛けてきたのは
2年のジャージを着た女の子だった。
華奢な身体で肌の色も透き通るほど白くて綺麗
とても美人な女の子で
女の私でもドキッとするほど。
「はい、とりあえず早めに帰ります」
「その方がいいよ、顔色、悪すぎる」
私はコクンと頷いて少し笑ってみせた。