君と指切り〜10年の軌跡
「ありがとう」
「あのね、泣きたい時は思いっきり泣くんだよ」
「…はい」
私は起き上がり上履きを探した
でも上履きなんて、ある訳もない。
“そっか連れてきてもらったんだよね"
私は、つま先を見つめ立ち尽くし
大粒の涙を流し
その場に崩れ落ちた。
背中に温もりを感じた
優しい温もりを…
私を抱きしめる手は
私の凍った心を
溶かしてくれたような気がした。
「うわぁーん」
5歳の子供に戻ったように
泣いて泣いて、泣きじゃくった。