君と指切り〜10年の軌跡
どのくらい泣いただろう
私は、少し落ち着きを取り戻した。
彼は箱ティッシュを私に差し出した
顔が、グチャグチャだったに違いない。
「あの…ありがとう」
「戻るの?」
「私、帰ります」
「靴はどこ?」
「救護テントに…」
「ほらっ!」
彼は体制を低くして背を向けた。
「えっ!?」
彼は自分の背中を手の甲で叩き
「早く、おんぶするから」
具合悪いことも手伝って
私は素直に、おんぶしてもらうことにした。