君と指切り〜10年の軌跡
「そう言えば名前聞いてないか
俺は西崎柊(シュウ)」
「柊先輩ですね、私は
二ノ宮奈都芽です」
「奈都芽ちゃんか可愛い名前だね…あっ心配しないでね、ナンパとかしないから」
「あっ、はい、あの…いつも音楽室にいるんですか?」
「いつもじゃないけど教室に居なきゃ大体ね」
「私、去年までピアノ習ってたんです、先輩の演奏は凄いなって」
「そう?ありがとう」
何気ない会話が続き、私の気も、かなり紛れた。
「何かあったら、また音楽室に来なよ、話ぐらい聞くから」
「はい!今日はありがとうございました」
「それじゃ」
私の頭をポンポン軽く叩き帰って行った。