君と指切り〜10年の軌跡
夕方になりパパが帰宅してから
ママの様子が変わった。
何があったのか幼すぎる2人には検討もつく筈もなく…
ただ、その夜トモの両親は現れなかった。
トモはずっと唇を噛みしめうつむいたまま…
だけどトモは決して泣かなかった。
トモの親戚にも連絡したけど誰一人トモを迎えに来なかった。
そして…
トモは施設に預けられることになってしまい、
そのまま私の知らない所に行ってしまった。
トモが去り際に言った言葉…
「…ず…え…るから」
ギリギリまで掴んだその手の温もりは
大人たちの手によって離され
残された手のひらは次第に冷たくなっていった。