君と指切り〜10年の軌跡
「ママ?トモ覚えているよね」
「トモ君が、どうかしたの?」
「もしもの話しだけど…トモに会ったらどうする?」
「そうね、何て声を掛けるんだろう
元気なら、それで良いんじゃないかな
きっと大変だったと思うの
子供には何の罪も無いからね
いきなりどうしたの?」
「ううん」
「ママ、少し安心したわ、奈都芽の前じゃ決してトモ君の話しはしないつもりだったから」
やっぱりママは
あれからずっと
トモを心配していた。
憎んでるわけ無いよね。
私はそれを知っただけで満足だった。
食欲をそそるカレーの香りが漂い始める。
「パパ美味しいって言ってくれるかな?」
「言うわよ!」
そう言ってママは優しい笑顔を見せてくれた。