君と指切り〜10年の軌跡
「打ち上げ、やってみる?」
「こわいー」
「大丈夫、見てて」
柊先輩は打ち上げ花火の筒を砂浜に差して火を付けた。
2人の頭上に綺麗な華が咲いた。
「うわぁ綺麗」
「大きな花火、見たかったけどな」
「ううん、私、この方が良い」
「奈都芽ちゃんと俺の
2人だけの花火大会だね」
打ち上げ花火が、どんどん上がる。
2人の顔が花火のひかりで綺麗に輝いた。
「手持ち花火やろうか」
「私、これにしよ」
何気に持った花火を取り上げられた。
「それ…ロケットだよ」
「…?ロケット?」
「こっち…ね」
柊先輩は私に花火を持たせてくれた。
2人で手持ち花火を眺めた。
「奈都芽ちゃん、今日は来てくれてありがとう」
「こちらこそ、嬉しかったです」
花火も残りわずか
楽しい時間も…