君と指切り〜10年の軌跡
柊先輩は花火を見ながら話し始めた。
「好きな子の話し、しても良い?」
「はい、もちろんです」
「ありがとう」
「その子はね小学校からの幼なじみで、頭が良くて美人で
皆の人気者だったんだ」
「俺は中学に入って彼女と付き合った
3ヶ月ぐらいたった頃
同級生のひとりが騒ぎ始めた
その子の家の事情を
学校中に広めたんだ」
「元々父子家庭だったんだけどね
そのお父さんが事件を起こして警察に捕まったんだ」
「前日まで人気者だった彼女は
一夜にしていじめのターゲットになった」
「俺は一生懸命守ったつもりだった
でも、それが彼女に迷惑だと言われた
その迷惑の意味はわかっていた一緒にいたら迷惑が、かかるからって」
「しばらくすると彼女は予告もなく転校したんだ
だけど高校に入ってびっくりしたよ
その子も同じ学校に入学してた」
「それじゃ、また会えたんですね?」
「うん、でもね彼女は頑なに俺を拒んだ」
「何故?本当は好き同志なのに」