君と指切り〜10年の軌跡
第六章
旅立ち
2学期初めの朝
通学途中20メートルほど先を歩くトモを見つけた。
私は声を掛ける勇気もなくただ後ろ姿を見ていた。
普通におはようって言えば良いんだろうけど
しばらく歩くと
距離が縮まってきて
少しゆっくり歩いたり
一旦止まってみたり
“何やってんだアタシ"
周りの人は変な目で見ていただろう。
次の曲がり角で曲がることにした。
「ナツ、さっきから何やってんの?」
「うわぁ!もしかしたら気付いてた?」
「うん、一緒に行くか?」
「いいの?」
トモは頷いた。