君と指切り〜10年の軌跡
公園の時計台の時刻は5時になろうとしてた。
「私、そろそろ行かなきゃ」
「いつ出発するんですか?」
「明後日、心配しないで柊と智輝には、ちゃんとサヨナラするから」
「はい、気をつけて」
「ありがとう、一生懸命、生きるから
そしたらまた奈都芽ちゃんにも会えるよね…それじゃ」
「さようなら」
優花さんは最後まで笑顔でいてくれた。
だから私も手を振り笑顔を見せた。
心に住み着いた鉛は一気に溶けてく気がした。