君と指切り〜10年の軌跡
トモはベッドの横にあるパイプ椅子に座り
プレゼントを取り出した。
「こんな昔のプレゼントで良いのか?」
「これじゃないとダメなの
トモの手から受け取りたかったから
開けて良い?」
「うん」
小さな包みを開けると
ウサギのブローチが入っていた。
「うわぁー!可愛い、トモありがとう」
「うん」
「私、買いに行けなかったから何にもないなー」
「ナツ、良いんだ
ナツとこうして居られるのが嬉しいから」
「神様が、また会わせてくれたのかな?」
「そうかもな、自ら来れなくてゴメン
俺はナツの事を好きで仕方ないのに
突き放すことしか出来なかった
ナツをガッカリさせた」
「ガッカリ?…確かにガッカリした
でもね、トモが1つの命を助けた
優花さんを幸せにしてあげた
そんなトモを誇らしく思うよ」
「ナツ、ありがとう」