流れ星

「あのー。私、合格発表遅れちゃって。」

彼女はまたも苦笑いを見せた。

「まあ、落ちてたんですけど。」

なぜこんな悲惨な状況で見ず知らずの他人に

例え苦笑いだとしても笑顔を向けられるのか。

そのときの僕には理解ができなかった。

「......もしかして、あなたも、?」

......なんてデリカシーのない女だ。

僕が彼女に抱いた第一印象はあまり良くなかった。

「あー、まあ。。そうっすね。」

てきとうに返事をしたのを覚えている。

そんな僕に彼女は続けた。
< 3 / 9 >

この作品をシェア

pagetop