身代わり王子にご用心
にっこり、ととてつもない圧力を伴った笑顔を向けられて。背筋が寒くなった私は、思わずコクコクと頷いてた。
「それはよかった。それでは、明日からよろしくお願いします」
……そして、お姫様抱っこで桂木さんが藤沢さんを寝室に連れて行った後。
一人取り残された私はすっかり酔いが覚めて、ただどうしようと狼狽える羽目に陥ってた。
――恋愛すっ飛ばして複数の異性と同居って!
あり得ないでしょおおお!!
お願い、夢なら覚めてください!
そう思いながら泊まる羽目になった桂木さんのマンションで、朝目覚めても現実は変わらず。
ちょうど全員が偶然お休みで。どうせなら、と強引に身の回りの品を纏めさせられお引っ越し。どうやら逃げられないと悟るしかないのでした。 しくしく。
何が何だかわからない! どうしてこうなった!?