身代わり王子にご用心
「そんなの俺の勝手だろ」
面倒くさそうに私を突き放した後、彼がいきなりベッドから出たから慌ててドアを開く。
「あ、朝ごはんを作りましたから……食べてください。今日は早番でしたよね?」
「いらない」
高宮さんはきっぱりと断って後、シャワーに使うであろう物を持って私を押し退ける。
「邪魔。早く出ていって」
「は、はい」
言われた通りに彼の部屋から出ると、ズボンだけ穿いた彼はさっさとこの場から立ち去る。
(また、断られちゃった……)
ガチャ、と物音がしてビクリと肩を震わせれば、向かい合わせの部屋から髪が乱れた桂木さんが出てきた……って?
そこって……確か藤沢さんの部屋でしたよね!?
まさか一晩一緒にいたとか?
えええええ~~っ!??