身代わり王子にご用心



「そんなの俺の勝手だろ」


面倒くさそうに私を突き放した後、彼がいきなりベッドから出たから慌ててドアを開く。


「あ、朝ごはんを作りましたから……食べてください。今日は早番でしたよね?」

「いらない」


高宮さんはきっぱりと断って後、シャワーに使うであろう物を持って私を押し退ける。


「邪魔。早く出ていって」

「は、はい」


言われた通りに彼の部屋から出ると、ズボンだけ穿いた彼はさっさとこの場から立ち去る。


(また、断られちゃった……)


ガチャ、と物音がしてビクリと肩を震わせれば、向かい合わせの部屋から髪が乱れた桂木さんが出てきた……って?


そこって……確か藤沢さんの部屋でしたよね!?


まさか一晩一緒にいたとか?


えええええ~~っ!??


< 41 / 390 >

この作品をシェア

pagetop