君の世界からわたしが消えても。
08 狭間
わたしは今、底なし沼に沈んでいっている最中なんだと思う。
考えれば考えるほどいろいろな考えに板挟みになって、正しい選択がどれなのか、自分はどうしたかったのか、わからなくなっていく。
今まで決意したことも、約束したことも、カナが目覚めてから全て、変わってしまったから。
――24日、夕方18時。
やり残していた課題は、今やっと終わった。
残すところ、休みは明日だけ。
何時間も机に向かっていたせいで、体が凝り固まっている。
ぐーっと背筋を伸ばすと、ぱきぱきっと関節が鳴る音がした。
……あー、なんかすごく体が重たい。
でも、それは勉強による疲れだけじゃない。
首からペンダントを外してベッドに寝転がり、手の中でキラキラと光る三日月を見つめた。
ここ数日間、わたしはずっと悩んでいた。
「どうしたらいいんだろう……」
矛盾と、葛藤と、選択。
色の違うそれらが混ざって、真っ黒に変わって。
……わたしの心の中は、ぐちゃぐちゃだった。