君の世界からわたしが消えても。
中学生の頃、というよりカナと出会った瞬間から、わたしはカナが好きだった。
でも、それはミヅキも同じだった。
運命とも言える出会いは、小学校1年生の時。
一卵性双生児のわたしたちは、見た目や声、仕草までもがそっくりだった。
爪の形や歯並びは多少違ったけれど、パッと見でわたしたちふたりを見分けることのできる人はいなかった。
わたしたちを生んだ両親でさえわからないくらいだから、相当似ている。
実際、ミヅキとふたりで鏡の前に立った時、自分でもびっくりするくらい、ありえないほどにわたしたちの姿はよく似ていた。
というより、同じと言った方が正しかったと思う。
たぶん、ふたりで並んで写真を撮ったら、自分でもどっちがわたしなのかわからないと思う。
現に成長の過程が詰まったアルバムには、わたしたちが両方映る写真全てに、『美月』『葉月』と付箋が貼られている。