君の世界からわたしが消えても。
何度も儚く甘い、夢を見て。
だけど、それはあっという間に覚めてしまう。
それは、わたしが現実をちゃんと理解しているから。
後悔したし、苦しくなった。
つらくて、泣きたくて、でもそれは許されない。
どうして、大丈夫だって思っちゃったんだろう。
どうして、ミヅキの代わりになるなんて、無茶なことをしたんだろう。
本物のミヅキになれないことなんて、最初からわかってたのに……。
でも、それでも傍にいたかった。
偽者でもなんでもいい。
いつかカナは、わたしを思い出してくれるって信じたかったから。
……だけど本当は、なんとなく気付いてた。
そうやって傍にいれば、そのうちそれだけじゃ満足できなくなるってこと。
一番になりたいって思うのは、当然のことだったのかもしれない。