君の世界からわたしが消えても。

 やり場のない気持ちは、どこへ行くのかな。


 ここにとどまり続けて、いつかは何事もなかったかのように溶けてなくなっちゃうのかな。


 それとも消化不良のまま、心の奥に残り続ける……?


 そんなことばかり考えて、わたしはここ数日ちゃんと眠れていない。


「何時になったんだろう……」


 気が付けば、部屋は真っ暗になっていた。


 三日月のペンダントを見つめながら考え事をしていると、なぜだか時間が過ぎるのがあっという間に感じる。


 時計を見ようとするけど、部屋が暗くて時計なんか見えない。


 起き上がって電気をつける気にもなれなかった。


 ベッドに横になりながら、薄らと月明かりが漏れる窓の方を見る。


 だけど、ここから月は見えなかった。

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