君の世界からわたしが消えても。

 せめぎ合う傷の疼きと、どうなってもいいって思う、自分勝手なわたし。


 ずるくてひどい、矛盾だらけのわたし。


 ハヅキじゃなくミヅキとして、頑張ろうと決めたわたし。


 たくさんの問題の間で板挟みになって、いろんな感情が矛盾してぶつかって、葛藤して。


 それでもわたしは、選択しなくちゃいけない。


 それが正解か間違いかわからなくても、きっと早いうちにその瞬間はやってくるだろうから。


 ……いつの間にか、雲の間から月が顔を覗かせていた。


 フルムーン、満月だ。


 それは、“ミヅキの月”ではなかったけれど、とても綺麗で、見ているだけで気持ちは落ち着いた。


 もう、ミヅキにもカナにも、後ろめたいことはしたくない。


 自分の気持ち、ミヅキとの約束、カナの記憶。


 問題は山積みだけど、決めた。


 その中の、優先順位。


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