君の世界からわたしが消えても。
それがわかっていても、カナを好きでいるのはやめられなかった。
すごく不毛な恋。
わかっていたのに、『諦めなきゃ』って思えば思うほどその気持ちとは裏腹に、カナへの恋心にしがみついていた気がする。
ミヅキの背中を押したのは、わたし。
自分から仲を取り持つようなことをしてこんなに悩んで苦しむなんて、バカみたいだと思う。
好きって、言いたかった。
でも、そうしたら、もう4人で一緒にはいられなくなる。
だって、わたしがふられることなんて、確定事項だった。
それなら、友達として傍にいたいと思った。
カナにとっての一番がミヅキなら、わたしは女友達の一番になれればいい。
だから、わたしのこの気持ちは誰にも知られないように封印しようと決めた。
……もし、わたしもカナのことを好きだと知っていたら、ミヅキはきっと告白なんかしなかったと思う。
わたしがカナを好きなことを知らなかったから、ミヅキはカナのもとへ真っ直ぐに向かって行ったんだ。
ミヅキは、優しくて素直で純粋だってこと、わたしは知ってる。
ふたりが惹かれあっていることは、紛れもない事実で。
……偶然で、運命で、必然で。
わたしがハヅキだとわかるカナ。
見た目が全く同じなのに、それでもミヅキを好きになったカナ。
『どうして』なんて、理由はわかりきってるよね。