君の世界からわたしが消えても。
ミヅキの代わりになれば大好きなカナの一番近くにいられるっていう、不純な動機。
後先を考えず、自分本位でしかなかった。
苦しくなるなんて、最初からわかっていたのに。
傷つけることになるって、わかっていたのに。
今更そんなことを言っても仕方がないかもしれない。
それでも、カナの丸まった小さな背中を見ると、そんなたくさんの後悔が押し寄せてくるんだ。
これ以上そんな後悔を増やさないように、今できる最善を尽くしたいって思う。
だけど、行動を起こすことに勇気が持てないのも、本当のことだった。
今はこうすることが一番だと思っても、後になって悔やむことになるのかはその時になってみないとわからない。
現に今の時点で後悔が多いから、同じことを繰り返すのが怖くて、足踏み状態。
あと一歩なのに、踏み出せない。
嘘をついてしまったこと、ペンダントを渡しそびれてしまったこと、傷つけてしまったこと。
たくさんの負い目がある。
それに対して、今のわたしにできる全てをやることが、カナとミヅキへの償いだとわかっているのに。
どうしても、あと一歩、前に進むことができないんだ。