君の世界からわたしが消えても。

「別に、なんとなく」


 なんで学校に行かなかったのか、なんて、聞かれても困る。


 ただ、行きたくなかったから、行かなかっただけ。


 そう思って答えれば、怒ったような口調でイチは言う。


「葉月は、そんな奴じゃないだろ」


 この言葉に、なぜだかわからないけど、少しだけイラッとした。


 イチはわたしのこと、どんな人だって思ってるの?


 わたしはそんなに真面目でも、強いわけでもないよ。


 でも、そんなことは言えなくて「……そんな奴だよ」って返すことしかできない。


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