君の世界からわたしが消えても。

 元から、小さい奴だった。


 細くて、小さくて、ポッキリと折れそうなくらいに細い背中をしていて。


 何度、支えたいと思ったんだろう。


 何度、その手を引いて歩きたいと願ったんだろう。


 その小さな背中に抱えきれないほどのものを背負って、ひとりで進んで行こうとするその背中を、もう何度見てきただろう。


 ここ最近で、小さかった背中は、さらに小さくなったように思う。


 「大丈夫」だと笑って、平気なふりをして。


 本当は全然、大丈夫じゃないくせに。


 ひとりで抱えられないなら、俺にその荷物の半分くらい、預けてくれればいいのに。


 そう思うことも、今まで数えきれないくらい、たくさんあった。


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