君の世界からわたしが消えても。

 だから、動いてやりたい。


 馬鹿みたいに甘えるのが下手な葉月のために。


 今まで動こうとしなかった分、その全てをここに費やしたい。


 今までずっと待っていたけど、迎えに行こう。


 そして、葉月に追いつこう。


 泣けよ、って。


 いい加減溜め込んでるもの全部吐き出せよ、って。


 そう言ってやりたい。


 頼ってほしいなんて俺のエゴは、どこかに捨てて。


 荷物は、俺が持ってやるから。


 半分でもそれ以上でも、好きなだけ俺に預けたらいい。


 今さらになって手を差し伸べるのは、遅いのかもしれない。


 差し伸べた手を、葉月が素直にとってくれるのかもわからない。


 それでも、葉月を助けたい。


 細い身体と同じくらい、折れそうになっているその心を、今度こそ俺が包んであげるために。

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