君の世界からわたしが消えても。
「探させてごめん。今日は誕生日だから、お祝いに来たの」
「……そうか」
ミヅキの眠るそこに目を向ければ、ひまわりの花が風にあたって揺れていた。
隣に並んだイチは手を合わせ、目をつむった。
横顔からは、なにを考えているのかわからない。
イチはミヅキに、なにを言っているのかな……?
「なんだよ」
「えっ」
探るようにイチの顔を見つめていると、閉じられていた目はゆっくりと開き、横目でじろりと睨まれた。
もっと長い間ミヅキに語りかけると思っていたのに、予想が外れた。
見てたの、思いっきりばれた。
「……短いね」
気まずい思いを隠し、イチに言う。
「なにが」
そんなわたしの心情を知ってか知らずか、ぶっきらぼうに喋るイチ。
いつもそうだけど、今は特にそう強く感じる。
見てたのがそんなに嫌だったかな。
だけど、見たところ怒ってないし、気にしないことにする。
「なにって、ミヅキになにを言ったのかなって」
あんなに短い時間で、ミヅキにどんなことを伝えたんだろうって気になった。