君の世界からわたしが消えても。

 カナがペンダントの意味を聞いてきた時、ミヅキがどうなったのかを話せばいい。


 それが示す意味に気付いた時、カナは泣くかもしれない。


 取り乱して、精神が不安定になるかもしれない。


 だけど、これはいずれ通る道。


 ミヅキがこの世にいないことを黙っているなんて、できない。


 それにカナは、わたしの隠し事なんかには、すぐ気付いちゃうだろうから。


 残酷かもしれないけれど、事実はしっかりと伝えないといけない。


 ミヅキはカナの大事な人だから、なおさらだ。


 言うのも、渡すのも、きっと早い方がいい。


 その時になったら怖気づいてしまわないように、わたしも覚悟しておかなくちゃならない。


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