君の世界からわたしが消えても。

 わたしは、1年経った今でも思う。


 何度も何度も考える。


 どうしてこんなことになっちゃったんだろう、って。


 それは、きっと偶然だった。


 運が悪かっただけ。


 たまたまそこにいたのが、わたしたちだった。


 悲劇を背負ったのが、ミヅキだった。


 ……カナ、だった。


 他人から言わせれば、そういうことなんだと思う。


 でも、当事者のわたしは、そんなふうには到底思えなかった。


 そんなふうに考えるなんて、無理だった。


 なんでよりによって、ミヅキだったの?


 カナだったの?


 わたしは今でも、それをぐるぐると考え続けている。


 答えなんて出るわけがないのに。


< 7 / 298 >

この作品をシェア

pagetop